東和マッサージ 中野 の日記
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難病患者に遺伝子治療=症状改善、長期観察へ
2014.11.10
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国立成育医療研究センター(東京)は7日、遺伝子の異常が原因で重い感染症を繰り返す難病「慢性肉芽腫症」の患者に、正常な遺伝子を組み込んだ細胞を投与する治療を行ったと発表した。症状は改善しており、今後15年以上、効果と副作用を観察する。
慢性肉芽腫症は、遺伝子異常が原因で白血球が細菌などを殺す力が弱まる遺伝性疾患。健康な人から白血球などのもとになる造血幹細胞の提供を受けて移植すれば治る可能性が高いが、白血球の型が一致する提供者が見つからない場合もある。
同センターは7月、提供者が見つからなかった20代の男性患者に遺伝子治療を実施。患者の血液から造血幹細胞を取り出し、正常な遺伝子を組み込んだ上で、注射して体内に戻した。患者は正常な白血球がわずかに増え、感染症が改善。10月に退院した。
遺伝性疾患の遺伝子治療では2002年、一部の患者が白血病を発症したとの報告が欧州であった。治療により白血病の原因遺伝子の働きが強まったためとみられ、欧米では手法を改善して遺伝子治療が続けられたが、国内ではほとんど行われなくなった。
同センターは今回の治療について、対象疾患が異なるため白血病の危険性は低いと説明。米国で同様の治療を受けた患者3人にも問題は起きていないという。小野寺雅史成育遺伝研究部部長は「他の遺伝性疾患でも同様の治療ができる」と述べた。