東和マッサージ 中野 の日記
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大腿骨頸部骨折と特発性大腿骨頭壊死症
2014.05.12
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肩マッサージ
(日本整形外科学会よりhttp://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/femur_head_necrosis.html)
大腿骨は股関節からすぐのところ(大腿骨頸部)で曲がっています。人間はその曲がった大腿骨で体を支えていますが、曲がったところは転倒や転落の時に外力が集中しやすく、骨折しやすいです。医学的には、病態が大きく異なりますので、関節の中で折れる場合(大腿骨頸部内側骨折)とそれよりもう少し膝側の関節外で折れる場合(大腿骨頸部外側骨折)の2つに分けて考えます。頸部内側骨折は、骨粗鬆症がある場合、ちょっと脚を捻ったぐらいでも発生します。
よくあるのは高齢者が何日か前から足の付け根を痛がっていたが、或る時急に立てなくなったというエピソードです。おそらく立てなくなった時、骨折部で“ずれ”が生じたのでしょう。一方外側骨折は、明らかな転倒・転落で発生します。両者の大きな違いは、内側骨折は血液循環が悪いため骨癒合が得られにくいが、その一方関節内のため周りにスペースがなく内出血も少ないことに比べ、外側骨折は骨癒合は得やすいが、受傷時の外力も大きく、内出血もするため全身状態に影響が出やすいということです。
認知症などのためハッキリわからないこともありますが、もし高齢者が転んだりした後、立てなくなったら第一にこの骨折を考えて痛む場所を確認しX線(レントゲン)診断を行います。 亀裂骨折(いわゆる“ひび”)でX線で判りにくい場合はMRIで診断可能です。時々骨盤の亀裂骨折と間違えられることがありますが、骨盤の亀裂骨折では、多くの場合歩行は何とか可能です。 予防は折れにくい骨を作るという意味で骨粗鬆症の治療を行うことと転倒しにくい環境を整えるという2点です。骨粗鬆症の治療は食物、薬物、運動ということになりますが、特に女性の場合は正常でも更年期以後年率で1%づつカルシウム量が減るといわれており、普段から検診等でチェックすることが大切です。 もし骨折が発生してしまった場合は、安静期間中に認知症や、廃用萎縮といって動けないうちに運動機能がおちて寝たきりになってしまうことがありますので、何らかの手術療法を考えることが増えています。なお内側骨折の場合は骨頭壊死といって、血流障害で後ほど骨がつぶれてしまう合併症にも注意することが必要です。
一方「 特発性大腿骨頭壊死症」は
身体の他の組織と同じように骨にも血液循環が必要なのですが、元々何ヶ所か血流障害を起しやすい場所があります。
大腿骨頭はその代表的な部位で、軟骨で被われた大腿骨頭が関節内に深く納まっているため血管が少なく、血流障害を起すと骨の壊死が引き起こされます。
この壊死した骨の部分が大きいと体重を支えきれなくなって、潰れて(陥没変形)しまい痛みが出てくるわけです。 古くは潜函病(せんかんびょう)といって潜水夫が浮上してくるとき血液中に生じた気泡が骨の中の血管に詰まり同様の症状が引き起こされることが知られていましたが、現在は原因がはっきりしていない場合“特発性(突発性ではない)”大腿骨頭壊死症と呼んでいます。
本邦では年間2000人程度の発症があることが知られていますが、男性ではアルコール多飲、女性ではステロイド(副腎皮質ホルモン)剤の服用に関連して生じることが多いことが分かっています。