東和マッサージ 中野 の日記
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アレルゲン除去、最小限に・・・
2014.05.02
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食物アレルギーを起こしやすい卵や乳製品などを子どもに必要以上に制限している事例が見られ、中にはかえってアレルギーが悪化するケースが出ていることが、10月に開かれた日本小児アレルギー学会で明らかになった。何が問題で、どのように対処したらよいかを紹介する。 別府大学の高松伸枝准教授(食品学)らは2007年、大分県の1歳半健診と3歳児健診に来た保護者を対象に調査した。それぞれ2400人前後から回答を得た。その結果、卵などの食材を制限中か過去に制限されていた子どもが1歳半で234人、3歳で263人いた。このうち3~4割は医師の診断を受けず保護者の判断などで制限されていた。
●食べるうちに耐性
高松准教授は「食物アレルギーを心配して必要以上の制限が行われている」とみる。栄養相談でも「念のために卵は食べさせていない」という母親は多いという。 最近までは、アレルギー予防のためとして、医師が妊娠・授乳中の女性に卵や乳製品を控えるよう指導するのも一般的だった。だが、今は発症の予防効果はないとされる。
除去による発症予防効果がないだけでなく、さらに「念のための除去をすべきでない」と強調されるのはなぜなのか。 その理由としてよく知られるのが、08年の英国での研究だ。生後9カ月までにピーナツを食べる割合の高いイスラエルの子どもより、英国の子どもの方がピーナツアレルギーが多いことが分かった。
最近はこうした結果から、アレルギーの原因となりうる物質(アレルゲン)を食べるうちに耐性ができる可能性があるという説が有力だ。 一方、皮膚に付いてもアレルギーは発症するが、付くことを重ねても耐性はできないとされる。皮膚から食物アレルギーを発症した例として、日本では「茶のしずく石鹸(せっけん)」による小麦アレルギーが有名だ。 この説が正しければ、卵などを一切食べないと耐性を作る機会がなく、一方で家族の食べた菓子のくずなどでアレルゲンにさらされることになる。国立成育医療研究センターの大矢幸弘アレルギー科医長によると、検証にはあと数年かかる見込みだが、「摂取開始を遅らせた方が安全だという論文は最近はない」という。
●専門医と相談を
具体的にはどう対応したらよいのか。大矢医長は「食べてすぐにじんましんや呼吸困難などのアレルギー反応が出る人は、医師と相談して原因食物を除去しなければならない。だが、そうした反応がないのに除去するのは、基本的には間違いだ」と話す。 現実には、アトピー性皮膚炎の原因に食物を疑う親は多い。だが専門医は一様に「自己判断で制限するうち、食べさせない品目を徐々に増やしてしまう保護者もいる」と警鐘を鳴らす。症状は多くの要素で変わるが「これを食べたら悪化した」と考えがちで、多品目除去に陥りやすいという。 「血液検査の要望も多いが、アレルギー体質の子どもが増えた結果、症状がなくても特定の食物に陽性反応を示すことも多いのです」とまつもと小児・アレルギークリニック(東京都八王子市)の松本勉院長は説明する。陽性反応だけで「食べてはいけない」と判断せず、専門医で原因や食べられるかどうかの診断を受けることを勧める。
皮膚炎がある場合は、まずは保湿剤や外用薬でしっかり治療をするのが鉄則。意外にこれを徹底できていないケースが多いという。 松本院長によると、他院での指示や保護者の判断で食物除去を行っていた同クリニックの患者147人のうち、明らかに皮膚炎が改善したのはわずか10人。改善しなかった患者に外用治療をしっかり行った結果、半数以上は良くなった。
●栄養障害にも注意 食物除去を行う場合も、その分の栄養は必要だ。大矢医長は「食物除去による栄養障害で、今どき珍しい脚気心(かっけしん)(ビタミンB1欠乏による心不全)を診たことがある」と話す。
くる病(ビタミンD欠乏による骨の変形)を発症した例を診療した昭和大学の清水麻由医師は「親はアレルギー症状を良くしたいと食物除去を行うことに集中し、栄養バランスに意識が回っていなかった」と振り返る。指導を受けて栄養にも目が向いたあとは、問題なく栄養が取れているという。 清水医師は「まずは除去を必要最小限にすべきだ」とし、「除去を指示する場合は医師も栄養に注意を払ってほしい」と訴えている。
実際に行われている食物アレルギー治療法としてアレルギーが出る食物を米粒より小さい大きさで食べさせ徐々に大きくしていきどの程度でアレルギーが発症するかみていくそうです。つまり抵抗力、免疫力が必要だという事です。ヒトは無菌状態のところでは生活出来ないのと同じ考え方です。食べ物も全部食べないのではなく、ある程度摂取して免疫力つけることにより発症を防ぐということです。
しいて言えばそれぐらいヒトの身体にとって免疫力は大事だということです。