東和マッサージ 中野 の日記
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芸術を通して自分を確認する
2015.10.26
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~秋の夜長の楽しみ方~
猛暑だった今年の夏も過ぎ去り、秋の虫の声を聞く季節となりました。小学校からは、運動会の練習をする子供の声が響いてきます。ビジネスマンの方は、下期が始まり、新たなゴールに向かって動き出す時期となりました。
慌しいオンタイムの一方、日没も早くなり、夜が長くなってきました。皆さんは秋の夜長をどのように過ごされますか?食欲の秋を満喫する、自然の移り変わりを鑑賞する、ゆっくりと本を読む、スポーツを観戦する・・、秋には楽しみ方のバリエーションが沢山ありますね。
今回は、その中でも「芸術の秋」にちなみ、芸術の役割や人間に与える影響について、改めて考えてみたいと思います。
~芸術を通して自分の価値基準を知る~ 芸術には、絶対的な評価の基準はありません。作品が制作された当初には評価されず、作家が没後に評価が高まることも珍しくありません。ある人にとってはかけがえのない作品が、他の人にとっては何らかきたてるもののない作品であることもあり得ます。一人の人間の中でも、時間の経過と共に惹かれる作品が変わっていくことはよくあることです。その自由さ・柔軟さが許される世界です。そういった芸術の持つ魅力は、私たちがその作品をどう感じるかを通して、今何に価値を置き、どんな人生を歩みたいのか、どういう人間で在りたいのかに気づかせてくれるところにあり、生命力を喚起する力さえもあるように感じます。
~ありのままの自分の表現~ 心理療法の一つに芸術療法があります。芸術療法は、描画、コラージュなどを用いて、様々な課題を抱えた方の精神的回復を支援するセラピーです。言葉にすることが難しい想いや葛藤を作品として表現することで、混乱した内面が統合へ向かうと言われています。 セラピーの現場のみに限らず、物を創るという過程には、本来の自分を取り戻す効果があります。安全で何の制約もない環境下での、ありのままの自分、ありのままの感覚の表現は、心の解放や自由へと繋がります。心理学では、これを「昇華」と呼び、葛藤を社会的に認められる形で表現し、自己実現する過程としています。
秋の夜長、芸術を通じ、改めてご自分を確認してみてはいかがでしょうか。